今回は不妊治療のお話です。
私は長年不妊に悩んでいて、体外受精に踏み切るまでにはかなりの葛藤がありました。結果的に体外受精で娘を授かれたので、今は心からこの治療を選択して良かったと思っています。

妊活をする前の私
私は子供は嫌いではないのですが、どう接して良いか分からないし正直得意な方じゃなくて。自信をもって「子供が好き」と言えるタイプではありませんでした。
結婚した時も仕事が順調でやりがいを感じていたので、しばらくは自分や夫婦2人の時間だったり、仕事の時間を大切にしてました。子供は『欲しい時に作ればいい』という安易な考えでしたね。
妊活開始とタイミング法
結婚後年数が経ち、そろそろ子供をもつのも良いかなと思い妊活するも、授かりませんでした。それでも「しばらくしたら出来るだろう」と元々楽観的な性格ゆえか、ダラダラと自己流のタイミング法を続けて気付けば3年、付き合っていた期間も含めると6年近くが経っていました。
基礎体温の計測から始めよう
病院に行く前だったので、まずは妊活方法をネットで調べたり、自分で出来る事から始めました。
ルナルナをダウンロードして生理周期を把握、毎日基礎体温を付けて高温期と低温期を確認しながら排卵日の予測をして、排卵が近いと思われる日にタイミングを取ります。
私は高温期と低温期はある程度しっかりと分かれており、排卵痛も少しある体質だったので、もうすぐ排卵かなと思う時期に1日おきに数回タイミングを取ってました。
確実にその月を無駄にしないように、高温期に入ったことを確認して、タイミングをやめるという方法を取っていましたが、今思えば排卵検査薬を使う事で、もっと効率よく妊活が出来たのかなと思います。
不妊治療で産婦人科へ
自分なりに努力するも授かる気配は一切なし。
さすがに少し焦りを感じ、地元の不妊治療に力を入れている産婦人科を受診しました。様々な検査をするも、私も旦那も不妊の原因になるようなものは特に見つからず、原因不明の不妊という状況でした。
その病院の先生はとても良い方で私にはあっていて、しばらく通い人工授精まで実施しましたが授からず。結果は人工授精6回失敗、これ以上同じ治療を続けても、成果が出る可能性は限りなく低いと説明されました。
楽観的な私もこの時は流石にショックで、仕事や自分の時間を優先して子供を授かることを甘く考えていたこと。子供が欲しいと初めから強く望んでいなかったからこうなってしまったのかなと、自分を責めてしまったものです。
人工授精までの流れ
人工授精までの不妊治療の様子を紹介します。
タイミング法
タイミング法にかける期間は年齢や考え方・状況によって様々ですが、私は1年程かけました。理由は単純で『出来れば自然に授かりたい』から。
タイミング法は私が通っていた病院では、生理開始から大体10~12日目くらいに1度来院して、エコーで卵胞の成長具合を確認し、タイミングを取る日(排卵が予想される日)を教えて貰うという流れです。
私は生理周期は約28日とほぼ狂いが無い体質ですが、それでも上記タイミングで通院した時には『卵胞の成長が思ったよりも早く既に排卵している』や、逆に『排卵までまだ4日以上かかる』と言われる時もあり、生理周期が順調でもタイミングを取るのは簡単ではないのだなと分かりました。
妊活アプリの計算や基礎体温、自分なりの計算でタイミングを計ることが多いですが、実際にエコーで卵胞の状態を見ると想像していた状況と違うという事もあるので、正しい状況を知りたければ病院に行くのが確実だと学びました。

基礎体温ががくんと下がったけど排卵はまだという事もありました!実際には排卵の時に更に体温が下がるという状況でしたね
基礎体温ががくんと下がっても、その下がりがその月経周期で最低温かを判断するのはなかなか難しいものです。
人工授精の実施回数と結果
人工授精は途中まではタイミング法と同じで適度に通院してエコーで卵胞の育ち具合を確認、タイミングを取る代わりに病院で人工授精を行います。
私が通っていた病院は事前に採精キットを貰えるので、人工授精当日に自宅で朝に採精して貰い私が病院に持ち込めば良く、夫婦で来院する必要が無かったので楽でした。
夫婦2人での来院の病院もありますが、それだと旦那の仕事の都合もあるので調整が難しいですよね。病院によって方針は様々なので自分にあった病院と巡り合うのが大事だなと思いました。
初回~4回目までは通常の人工授精で、通院してエコーで卵胞の育ち具合を見て人工授精日が決まるとHCGという注射で排卵を促す&人工授精を実施します。
クロミッドを服用
人工授精5~6回目はこれまでの人工授精のやり方にプラスし、クロミッドという錠剤を服用し1度の排卵までに至る卵胞を2個以上成長させ、排卵する卵を増やすことで妊娠する確率を少しでもあげるという方法を試しました。






クロミッド等を使用しない限り、基本的には排卵までに至る卵胞は1つと言われてます
排卵する卵胞を増やす=万が一にどちらも妊娠したら多胎になるので、母子ともにリスクが伴うため人工授精を数回しても妊娠に至らない場合に限られる方法であると説明を受けました。
人工授精5~6回目では、同時に2~3個の排卵がありましたが妊娠に至らず、結果は残念ながら人工授精6回全て失敗。人工授精よりも更に高度な体外受精が見えてきました。
体外受精への葛藤
ここまでの不妊治療での失敗を経て、自然には授かれる可能性はほぼない状況と分かっても「子供を持つ」という覚悟が自分には足らないような気がして。子供は欲しいけど自分は体外受精のように大それたことをしてまで親になる価値のある人間なのだろうか。
覚悟をもったところで子供が出来るかどうかは分からないけれど、親になる自信がないまま次に進んで良いのだろうかと体外受精に進むのを躊躇っていました。
周りはみんな自然に子供が出来ているのに何で私だけ?「親になりたい」っていう気持ちは子供っぽい自分のエゴなんじゃないだろうか。子供が欲しいという気持ちは本物なのだろうか。
色んな思いがぐるぐるしていました。
体外受精へ挑戦した理由
そんな私が治療に踏み切った理由はやはり旦那をお父さんにしてあげたかった。私と結婚したがために彼からお父さんになる人生を奪ってはいけない、これが一番でした。






とは言っても、不妊がどっちに原因があるかは分かりませんでしたけどね
地元の産婦人科に通い始めて足掛け5年、「出来ることは全てやろう」と夫婦二人三脚で高度不妊治療に臨む決心が出来ました。
そして体外受精に力を入れている別の病院を紹介して貰い、転院して治療に励んだところ、本当に幸運にも、初回の採卵&移植で娘を授かることが出来ました。本当に「子供を授かる」って決して当たり前のことじゃない、奇跡の連続なんだと。
体外受精の流れ
体外受精専門の病院に転院後、スクリーニング検査をしても不妊原因は不明、医師との面談で卵胞刺激の種類はアンタゴニスト法という治療を選択しました。
アンタゴニスト法
私が通った病院では、アンタゴニスト法は卵胞刺激を行い複数の卵胞を発育させ、十分に育ったタイミングで採卵するという流れです。
卵胞刺激
自己注射による卵胞刺激を行いました。
自己注射と聞くと少し怖いかもしれませんが、説明通りに行えば、慣れるとサクサクできるものでした。
採卵の結果
初めてのアンタゴニスト法での卵胞刺激周期で、採卵は幸いにも1回で済み、1回の採卵で卵胞は11個採取出来ました。
受精の方法
採卵で採取した11個の卵ですが、受精障害がある人もいると聞いたので、一応大事をとってふりかけによる体外受精と顕微鏡受精を半々で実施して貰いました。
そのうち受精出来た卵は6つで、体外受精と顕微鏡受精で受精率に大差はありませんでした。






受精障害は無かったという結果ですね
胚培養について
採卵した後は早く移植したいと気が焦り、新鮮肺移植を行なおうかなと迷いましたが、着床ギリギリの状態となる胚盤胞まで培養して、移植するのが一番成功率が高い方法と聞きました。
しかしながら胚盤胞まで育つ保証はどこにもない。出来た受精卵6つが全滅するかもしれない。
この時点で60万近くお金がかかっていたので、具合悪くなるくらい迷いましたが、新鮮肺移植は選択せずに、自分の卵を信じてすべての卵の培養をお願いしました。
胚盤胞まで育った卵は?
胚盤胞まで成長した卵は6つ中4つで、そのすべてを一旦凍結しました。
胚盤胞のグレード
胚盤胞は5日間培養からの凍結で、凍結時のグレードは4AB・4BA・4BB、4BCの4つで、4ABの5日目凍結胚盤胞を移植しました。結果的にこの卵で妊娠にいたり無事に娘を出産しました。
体外受精の費用
初診でのスクリーニング検査と、卵胞刺激⇒採卵⇒受精卵の培養⇒凍結⇒移植、全てあわせて丁度100万円くらいでした。
県と自治体から不妊治療の助成金が出たので、手出しは40万ちょっとくらいでしたね。
私の不妊の理由は?
こればっかりは医師からも結果論でしかないと言われましたが、私の様に妊娠以降の経過に問題無く、体外受精したらあっけなく妊娠⇒出産に至る場合は、ピックアップ障害が濃厚とのこと。
ピックアップ障害とは?
通常なら排卵した際に、イソギンチャクのような器官と言われている卵管采が飛び出して来た卵子をキャッチして、卵管に送り込み、待機している精子と受精すると言われています。
ピックアップ障害とは、卵管采が何らかの理由で上手く動かずに卵子を卵管に取り込めず、結果的に精子と出会えないことで受精が出来ない⇒妊娠に至れないという障害です。
ピックアップ障害であれば、受精出来れば妊娠・出産に至れるために、体外受精を行なえば、妊娠・出産が大きく期待できると言われてますね。






私がまさにそのケースだったのかもしれません
我が子との出会い
初めて娘を見た時は、何とも言えない不思議な感情で「感動」「幸せ」「可愛い」どんな言葉も薄っぺらくてしっくりこない。今まで味わったことがないとてもとても神秘的な不思議な瞬間でした。
産後1ヵ月位はホルモンバランス?がガタガタだったせいか、はたまた妊娠・出産までの道のりが長く険しいものだったので、目の前に我が子が居るという幸せに慣れていない自分が居て。
「こんな幸せで良いのか」「何か悪い事が起こりそうな気がする」と、暇さえあればネットの育児情報を見て変に不安になる毎日。産まれたてのふにゃふにゃの小さな身体がとても儚くて、夜中1時間毎に起きてはちゃんと呼吸をしているか確認をしてみたり。
そんな感じでも今はなんだかんだで生後3ヵ月が過ぎ、毎日新しい一面を見せてくれる我が子。母乳あげながら顔をみると、にたりと笑ったり。飲み終わった後に頑張ってゲップさせても足りないのか、変な唸り声をあげながら真夜中に全力できばってみたり。
やっと寝たかと思ったら自分のオナラで起きちゃったり。女の子なのにピンクが似合わなかったり。自己主張が出来るようになり、抱っこしてと全身で意思表示をしてみたり。首が座りそうで、縦抱っこの時に赤べこみたいに首をゆらゆらさせてみたり。
明日はどんな顔がみれるかな。
本当に私をお母さんにしてくれてありがとうと言いたいです。
昔の自分に伝えたいこと
子供を授かるまでは『自然に授かりたい』『体外受精をするのに引け目を感じる』『体外受精は色んな不安がある』などマイナスな事ばかりを感じてました。
しかし実際に不妊治療を経て妊娠・出産して不妊治療を振り返ってみると、今では体外受精をしたことに負い目や後悔は一切感じてません。
何故なら不妊治療をしなければ娘には会えなかったから。
仮に不妊治療をせずに自然妊娠・出産出来ていたとしても、その時に存在している子は今目の前に居る娘ではない。私は不妊治療して出来たこの子が良い。だから不妊治療をして本当に良かったと、心底そう思ってます。
結果的に授かれたからこんなことが言えるのかもしれませんが、不妊治療は素晴らしい医療です。
患者はその奇跡のような医療を受ける事に引け目は感じる必要はないと思います。少なくとも、昔悩んでいた私にもし伝えられるなら、そう伝えたいなと思っています。
まとめ
ここまで読んで頂きありがとうございました。今の気持ちを残しておきたくて書きました。
育児中は日々の忙しさで時にはイライラ、大変な事も多々あると思うけど今の気持ちを忘れないように、引き続き育児を楽しんで行きたい。
全国のママ・パパさん、共に頑張りましょう。
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